家庭医のクリニックづくりと、そのネットワークを支援しています

ホーム 会社概要 事業概要 お知らせ コラム リンク
コラム
 
 看取りの家(ナーシングホーム)を目指して 
 メディサイト 松村 眞吾

 今、弊社では訪問看護ステーションの立上げを企画している。人件費倒れとも、人の苦労が絶えないとも周りから言われるのに、なぜそんな新規事業を目指すのか。答えはシンプルだ。志ある看護師の人々と、在宅医療などに係わっているケアマネージャーやいろいろな人々と一緒に、看取りの家(ナーシングホーム)を作りたいからである。ホーム建設には投資が必要となる。まず在宅療養の支援から始めたいと思ったから訪問看護ステーションである。

 好きな言葉に「自宅でない在宅」というのがある。故外山義先生の著書に由来するが、家族の負担を考えると自宅での療養は難しいかもしれないが、限りなく自宅に近い「在宅」での療養を拡げていくことが、今後の日本には必要と考えている。このHPコラムに執筆頂いている神戸の梁勝則先生は、もう何年も前に在宅医療のバックアップ施設として有床診療所を核とする複合施設「希望の家」を作った。地域で最期を迎えたいという多くの高齢者と家族の気持ちに沿ったものと理解している。収益性に問題があるという反対の声を押し切って建設された梁先生には、刺激されるところ大であった。

 家族に迷惑をかけたくない、やはり高度医療を受けたいなどという声もあろうが、本音ではどうなのだろうか。私は生まれ育った地域に住んでいる。4年前になるが36年ぶりに戻った時は、本当に落ち着いた気持ちになったものだ。人は皆、同じではないか。住み慣れた街を離れたいものだろうか。高齢者は増え続けている。病院や施設を増やしていく余裕もない。ほんの数年で30万床のベッド増設が必要となる。自宅が無理なら、少しでも「自宅でない在宅」を可能にする場所を作っていきたい。

 ある医師が「病院の方が効率的に治療できる。在宅移行推進は間違っている」と言った。確かに医療にはそういう面がある。医師不足が深刻な産科や小児科は集約が必要だと思う。しかし高齢者は違う。生活の積み重ねを軽視してはならない。生活こそがテーマである。
だからQOLを重視しなければならない。そう思う。自分も年老いたら、そう考えるだろう。

 私は医療者ではない。もちろんコンサルタントや事務長はしているが、あくまでも経営の仕事をやっている人間である。だから出来ることには限界があるのかもしれない。仲間を作っていくことは出来る。直球を投げ続けても、食べるには何とか事欠かないのが医療業界の有り難いところである。経営はプロのつもりだから、お金のこと、労務のことは任せてもらおう。ケアはその道のプロに任せたい。訪問看護ステーションは最初の第一歩である。大口をたたくのもいい加減にするべきだろうか?いや、看取りの家(ナーシングホーム)を目指すことは自分の仕事の、本当の目標として掲げ続ける。


ページの上へ