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コラム
 
 御堂筋に介護施設、高齢者住宅を作ったら? 
 メディサイト 松村 眞吾

  東京一極集中の影響を受けて、あるいは大阪駅のある梅田地区への機能集中で、大阪のメインストリートである御堂筋沿いにも空きビル、コイン駐車場が目につく。一等地と言われてきた御堂筋沿道が空洞化しかねない状況なのである。大阪人としては何とかしたいと強く思う。そこで考えてみた。

 歴史をひも解いてみよう。御堂筋が走る船場地区には、戦前5万人を超える人々が住んでいたという。それに対して今は、都心回帰でマンションが増えてきたわけだが、その1割の5,000人程度しか住んでいないという。オフィスビルが住民を追い出した格好となっている。以前に比べればなしであるが、それでも夜間や週末の御堂筋は歩く人がほとんどいない。多くの人々が住まい、働き、憩う京都の中心部とは風景が全く違っている。

 最近、その御堂筋沿いのオフィス主体のビルの1階にスーパーが開店した。画期的なことだと思う。そのことを御堂筋の地盤沈下と見るのか、新しい街づくりの可能性と見るのか、それによって描かれるべき御堂筋の将来像が変わって来る。私は新しい可能性を観たいと思っている。

 そこで提案したい。大阪都心を走る御堂筋に介護施設、高齢者住宅を作ろうという提案である。全ての人間は生老病死を免れない。地域の中で育ち、学び、働き、憩い、老後の生活を送る。ごく自然なことと思う。昔日の船場の賑わいを復活させるためにも、多くの人々がここに住まい、高齢者になっても住み続けることが望ましいと思っている。医療と介護は、いわゆる成長産業でもある。新産業の拠点を大阪都心に作ることは、大阪再生のシンボルともなり得る。地域の医療介護の現場の傍に、医療介護のビジネス拠点があるのは経営の視点から言っても根拠のあることだと主張したい。

 ITだけが先端ビジネスではない。生活とは生きる活動という意味であろう。ならば御堂筋に介護施設あるいは高齢者住宅があって、そこに成長産業拠点ができることは街の賑わいを復活させ、生き生きとした街づくりを可能にする。介護施設建設にはバルコニーを巡らせるなど構造面の問題、住居を設けた場合の権利関係のことなど、問題・課題がいろいろあるという。出来ない理由を並べるだけでは、御堂筋は衰退するばかりだ。
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