家庭医のクリニックづくりと、そのネットワークを支援しています

ホーム 会社概要 事業概要 お知らせ コラム リンク
コラム
 
多職種協働を支える学びのプラットフォーム、
在宅医療カレッジ
医療法人社団悠翔会
理事長・診療部長 佐々木 淳 氏

 在宅医療は多職種協働が基本である。 専門職は専門性を磨くことに専念する傾向があるが、多職種が連携していくためには、専門外領域における課題の広がりと、自分以外の専門職の役割を理解しておく必要がある。そしてチームとして協働していくためには、目的の共有、そして課題意識(課題が存在しているという認識)の共有、課題解決に向けてのプロセスの共有が必要になる。 在宅医療カレッジは、専門性の枠を超えた学びのプラットフォームを提供することで、在宅療養支援に必要な知識やスキルの全体像を俯瞰し、より効果的な役割分担、そしてそれぞれの専門職の役割を再定義することを目指している。

  在宅医療における「学び」には難しさがある。在宅ではそれぞれの専門職が独立して仕事をしていることが多く、現場で同職種・多職種から学ぶ機会は少ない。自ら意識しなければ最新の知見に触れることも難しく、専門職としての成長が滞る傾向がある。また、多職種連携の役割分担の中で専門外領域との接触機会は少なく、「知らない」こと自体に気が付いていないケースも多い。 在宅医療カレッジは、各専門職の学びのモチベーションを刺激するとともに、学びのためのオリエンテーションとナビゲーションを提供したいと考えている。

 在宅医療カレッジでは、それぞれの領域のトップランナーを招聘しセミナーを開催している。このセミナーを通じて、まずはその領域の存在を知り、その領域の全体像を理解し、在宅医療職として総合的な知識を身に着けるとともに。専門職として学びを深めるべき部分を見つけ出すことができる。また、普段孤独に仕事をしている多職種が交流することで互いのモチベーションを高め合える。 2015年3月の発足以来、セミナーを15回(毎回約200名が参加)、埼玉や南三陸などの出張キャンパスも開催した。昨年末の地域包括ケアシステムをテーマにしたシンポジウムには約600名が参加している。

 セミナーはコアカリキュラムに基づいて計画的に開催している。 在宅医療カレッジでは、各自が自分に必要な知識領域を把握し、自主的に学びを進められるよう、学ぶべき領域を体系化したマトリックスを提供したいと考えている。学びのために必要な教材(書籍・e-learningプログラム)や、全国各地で開催されている勉強会やセミナーとのリンクも進めていきたい。 将来的には、在宅医療カレッジで学んだ参加者が、自らの学びを地域や職域に還元していけるよう、適切な教材・資材を提供したいと考えている。教えることで、自らの学習効果を高めるとともに、学びの波紋が増殖していくことを期待したいと思っている。

在宅医療カレッジスケジュールなどについては
//yushoukai.jp/college/

ページの上へ