家庭医のクリニックづくりと、そのネットワークを支援しています

ホーム 会社概要 事業概要 お知らせ コラム リンク
コラム
 
2020年診療報酬改定はどうなるのか?その2
メディサイト 松村 眞吾

 前回は急性期の厳格化と「働き方改革」について書いた。特に「働き方改革」には留意しておきたい。「働き方改革」は医師偏在対策も関係すると思われる。急性期の位置付けと「働き方改革」がポイントであることは確実であろう。
 落穂拾い(でもないが)的に幾つかの気になるポイントを書いておきたい。

 DPCの機能評価係数Uの重要性が高まっている。2018年改定で調整係数が廃止され、データ提出加算の義務付け化が広がっている。機能評価係数Uを上げようとするのは困難なことである。とにかく入院初期に医療資源を集中投入し在院日数を短縮化することだが、テクニカルに触れる項目がある。救急医療管理加算である。算定用件に曖昧さがあって、積極的に算定する病院の係数が上がる傾向が、現場サイドでも指摘されていた。

 医療区分3における中心静脈栄養についてもメスが入るとの情報がある。かなり前から、一部の病院では、重症度を高めるために、ざわざわ中心静脈栄養を施すとの話が語られてきた。報酬額が高くなるのだから、患者本人のことを思ってではなく、目先の利益追求を図る好ましくない経営者も居る。そんなことが見過ごされるわけもなく、今般、要件が追加されるだろうとのこと。これも当たり前のことと言えるだろう。

 単なる算定のためのテクニックの道は、これからも塞がれていくだろう。今回は救急医療管理加算と医療区分3が議論になっているが、その他にも策は打たれていくと考えられる。個々の点数を解釈し算定することも重要である。ただ、経営努力なしに、加算減算・廃止を「ハシゴ外し」と批判するのは止めたい。次回改定は激震が走るものにはならないというのが、今のところの予想(あくまでも現段階での)であるが、急性期の厳格化や一部加算の見直しは確実に入っていく。繰り返しになるが、流れを読んで、本当の戦略を立て、実行したい。

 私たちは、逐条解説コンサルタントではなく、5年後10年後に実になって来る戦略を考える。プロフェッショナルでありたい。病院経営者も、そうあって欲しい。それが効いてくる改定となろう。

 
ページの上へ