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コラム
 
シンプルに医療経営の課題を考える
メディサイト 松村 眞吾

 先にコロナ(COVID-19)感染拡大が「医療経営」に与える衝撃について論じた。ここでは、それを要約してシンプルに書くことにする。目先の問題ばかりに拘泥するのではなく、何が大事かを考えて欲しいからである。

 まず第一に、本当の意味で職員を大事にしろ、ということである。シンプルに言えば、ゆっくりと落ち着いた美味しい食事を提供しろ、となる。休館しているホテルの部屋を安く借り上げて職員に開放している病院もある。
 第二に金を積み上げておけ、ただし借りた金は収まったら必ず返すことを誓え、ということである。医療に対しては、それこそ生活インフラの一部であり、国も最優先で考える分野である。必ず何とかするだろうから、現下の緊急事態対応として借金をすること、ただし返すことを前提に考えろ、と言いたい。
 第三に、これは上記に関連するが、急激な患者減少(受診控え)は構造的なものと思え、ということである。今回、だから急性期病床は減らすな、という議論がある。少子化は続くのに、医療ニーズは増えるのか?今までが過剰医療だったと考えなければ痛い目に遭う可能性が高い。

 第四に、オンライン診療などICT(情報通信技術)活用を果敢に取り組め、ということである。患者の受診行動は劇的に変わるかもしれない。病医院にテレワークは関係ないか?カンファレンスなどテレビ会議でできるではないか。それに「医療現場には無理」と決め付けられるか?誰がオンライン会議やオンライン講義の急速な普及を想像できただろうか。必要に迫られれば何とかできる。
 最後に、単独で生き残ると考えるな、ということである。限られた資源を有効に活用していかなければならなくなる。最も深刻化するのは人材確保と育成であろう。地域の医療機関は協働していかなければならない。そして地域社会とも、である。

 ポストコロナに来るのは大不況ではなく第四次産業革命である、という意見がある。同意したい。それくらいの認識を持って、初めてイノベーターとして生き残れる。そう理解、認識したい。
 労務と財務、リスクマネジメント、戦略などの知識とスキル、そしてICTのリテラシーは身に付けておきたい。その支援なら幾らでもやろうではないか。私もプロフェッショナルの一人である。そう宣言しておこう。

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