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コラム
 
 職員採用を巡って(2) 
  ラジオロジークリニック扇町
元事務長 佐々木三枝 氏

 この仕事をしていると、院長先生のボヤキにも似たつぶやきをお聞きすることがあります。
曰く「面接の時は、一生懸命頑張りますと言っていた」、「貴院の力になるように尽力しますと言っていた」、「仕事の能力はあると言っていた」のに、いざふたを開けてみると「能力が低い」、「指示通り動かない」、「それは私の仕事ではないと言って、いうことを聞かない」。

  さて‥実際には彼、彼女たちなりに一生懸命働いているのでしょうし、本人は仕事ができていないなど露にも思っていないでしょうし、本人としてはクリニックの力になっていると思っているのでは?一度や二度の面接で採用を決めて、それで後はよろしくと仕事を任せてしまう。たったそれだけのことでどれほどの信頼関係が構築できるのでしょうか?また、1〜2年働いてくれたからといって、いざという時、自分の利得をなげうって診療所のため、院長のために働いてくれる職員なんて希少価値の希少価値でしょう。

 毎月給料を支払ってやった、昇給してやった、賞与を与えた、食事会を開いてやったことを、雇われているものが、果たしてよくしていただいたと感じているでしょうか?診療所規模では、新卒者を採用することはまずありません。必ず、どこかで社会人として働いた経験がある人の採用となります。それまでのその職員が受けてきた教育や経験は重要です。きちんと社会人教育を受けてきた人とそうでない人とは社会人としての構築に非常に差が出ます。一つ一つの作業はできるでしょう。しかし、診療所ではチームプレイが重要です。どれほどの能力を持っていてもよい効果が出るように使えなければ何もなりません。

 そのためには、診療所の方針を定め、院長自身の診療パターンを明確にし、患者導線を描き、それに合わせて職員がどのように対処するのかというシステムを作ることです。思うように働いてもらうには、日常の教育、指導を徹底することです。そして、日々、人間関係の構築に努め、信頼関係を作ることです。
そのことによって、初めて職員は戦力になるのです。
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